第四回 東京デジタルフォローアップ官民連携連絡会議事録

令和4年10月31日(水)10:30~12:00
(オンライン開催)

1.次第

(1)東京都事業説明
 ①令和4年度デジタルデバイド事業取組実績
 ②TOKYOスマホサポーター制度について

(2)連絡会会員活動 紹介
 京セラ株式会社 高齢者とスマートフォン

2.議事内容

〇深井戦略部長
 東京都デジタルサービス局戦略部長の深井です。本日はお忙しい中、岩﨑先生をはじめ、多くの会員の皆様に、本連絡会にご出席いただいていること、感謝申し上げます。開会に当たりまして一言ご挨拶申し上げます。 昨年10月のデジタルの日をきっかけとしたこの官民連携連絡会も、間もなく立ち上げから1年を迎えます。この間、会員の皆様との連携の下、デジタルデバイドの是正に向けた取組や、先進事例の共有などを進めてまいりました。また、立ち上げ後も、本連絡会の目的・事業に賛同する様々な企業・団体の皆様にご参画いただいてきたところです。
 去る5月に開催しました第3回連絡会では、東京都から、令和3年度のデジタルデバイド対策の取組実績と、令和4年度事業の方針やTOKYOスマホサポーター制度の方向性について共有させていただきました。また、連絡会会員活動紹介として、シニアのデジタル活用支援に取り組むNPO2団体様より活動の報告をいただきました。
 また、NPOや民間企業等の会員の方々におかれましては、都の高齢者スマートフォン普及啓発事業における相談会や、10月のデジタルの日の取組に対し、多大なご協力をいただきました。その後も、ヒアリングを通じて、様々な角度からご所見を伺わせていただいたところです。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 本日の連絡会では、令和4年度上半期における都の取組実績及び、この間に皆様からいただいた意見等を踏まえて検討しているスマホサポーター制度の骨子案を共有し、会員の皆様から忌憚のないご意見を頂戴したいと思います。皆様の知見や経験を基に、事業実施に向け、さらにブラッシュアップできればと考えているところです。
 また、今回は、高齢者のスマホ活用促進に向け大変意義深い活動を実施していると伺いました「京セラ株式会社」様から、高齢者向けスマホ教室などに関する取組の紹介をしていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上、簡単ではございますが、開会のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

〇事務局
 深井部長、ありがとうございました。ここで今年度新たに連絡会に参画いただきました団体様のうち、今までご紹介できていなかった団体様から、簡単で構いませんので一言ご挨拶いただきたく存じます。まず、特定非営利活動法人デジタルリテラシー向上機構の代表理事である柳谷様から一言お願いいたします。

〇特定非営利活動法人デジタルリテラシー向上機構 柳谷様
 おはようございます、NPO法人デジタルリテラシー向上機構の柳谷と申します。我々は高齢者向けにデジタルリテラシーを向上させるための活動をしております。また多くのメディアでの連載をしたりテレビに登場したりしています。今年の中旬には春日部市での市役所のセンターで公演をしてきました。これからどうぞよろしくお願いします。

〇事務局
 続きまして、一般社団法人JSST教育訓練支援センターの代表理事である日向野様から一言お願いいたします。

〇一般社団法人JSST教育訓練支援センター 日向野様
 この度新規に参画させていただきました、一般社団法人JSST教育訓練支援センター代表を務めております日向野と申します。当社団は2012年より「一般社団法人シニア研修センター」という名前で、シニアの方々へのデジタル教育、また、障害者の方々の就労を目的にした職業訓練などを中心に活動してまいりましたが、今年、設立10年目という節目を迎え、今の名称に改名いたしました。今後も引き続きデジタル社会の実現に向けてデジタル技術活用の格差解消のため、皆様と一緒により一層温かい取り組みをしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

〇事務局
 続きまして、ほっとスマホステーションの代表である平林様から一言よろしくお願いいたします。

〇ほっとスマホステーション 平林様
 おはようございます。ほっとスマホステーション代表の平林と申します。よろしくお願いいたします。ほっとスマホステーションは東京都大田区の業種の違う4つの事業所で展開しており、スマホのちょっとした悩み事がある方が気軽に相談できる場所として運営しております。弊団体の特色としては、医療介護福祉の専門職がいるため、高齢者が抱えるスマホ以外の相談にも合わせて乗れる点かと思います。今後とも何かありましたら是非意見交換させていただきたく思いますので、よろしくお願いいたします。

〇事務局
 皆様、ありがとうございました。 それでは次第に沿って進めさせていただきます。まず、東京都事業説明の令和4年度デジタルデバイドと事業取り組み実績としてデジタルサービス局戦略部戦略課長の久賀谷からご説明差し上げます。久賀谷課長よろしくお願いします。

〇久賀谷戦略課長
 皆様、おはようございます。東京都デジタルサービス局戦略部戦略課長の久賀谷と申します。私の方からは、令和4年度のデジタルデバイド事業の実績状況について、資料に沿ってご説明させていただきます。
 まずは、令和4年度のデジタルデバイド事業の全体像になります。こちらは前回の連絡会でも報告させていただきましたが、高齢者を対象に、スマートフォンの利便性の体験あるいは日常のスマホ利用に関する困りごとの解決に向け、教室形式の体験会と個別形式の相談会を行っております。また、身近な人が身近な場所で助けあうデジタル社会の実現に向けて、地域のコミュニティ事例の創出に向けたデジタルデバイド事業を実施しております。さらに、地域で教える人材に育成に向けて、TOKYOスマホサポーターについても本年度から実施していこうとしております。
 次に、このスマホの体験会・相談会などについて、今年度上半期の取組実績等をご説明させていただきます。本年度は5月から取組を開始しまして、体験会は都内48の自治体で約570回、相談会は都内23の自治体で約160回実施しまして、体験会は約4,000人、相談会は約1,200人の方にご参加いただいています。参考として令和3年度10月に事業開始した昨年度と比べますと、少し上回るくらいの規模で実施し、参加いただいています。
 並行して、地域の方でスマホ教室等の経験等があるNPOの方を中心に、先行的にスマホサポーターとして相談会において活動をしていただきました。また、夏休み期間には、デジタルネイティブ世代である学生に都内各種の相談会で活動いただくような取組を実施いたしました。これらの活動で得られたご意見や気づきをスマホサポーター制度の詳細の設計に反映していきたいと考えております。
 続きまして、スマホサポーターの先行実施や、学生の参加等の取組についてご報告します。まず、連絡会のメンバーでもあるNPO4団体の皆様にご協力いただき、シニア情報生活アドバイザー資格を有する方20名にサポーターとして参加いただき、7月から10月にて14回の相談会を実施しました。また、10月初めのデジタルの日には、NPOの方々に加えて、通信事業者・メーカー6社から11名の方にもご協力いただき、集中的に相談会等を開催しました。それから夏休みには、サポーターの担い手としても想定をしている学生にも相談員として19名に参加いただき、48回の相談会を実施しました。ご協力いただいた皆様には改めてこの場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 参加いただいた方には、サポーター制度について個別のヒアリングやアンケートを実施させていただき、大変参考となるご意見をいただいておりますのでご紹介させていただきます。ご意見については、内容別に分類して整理させていただきました。
 まず、サポータースキルについては、知識を補うためにメーカー企業等から機種に関する情報提供があると良い、高齢者の方の特性を踏まえて根気強く丁寧に教えられるコミュニケーション力が重要である、仮にその場でわからないことを聞かれたとしてもその場で調べて対応する力が必要、といったご意見をいただきました。
 次に、育成カリキュラムについては、FAQを整理して学ぶことで回答レベルを担保することが重要で、どう答えるべきかのみならず、何について答えないべきかについても記載した方が良い、現地に出る前に座学はもちろん、ロールプレイ研修も重要ではないか、というようなご意見をいただきました。
 それから、サポーターになっていただいた方への支援については、サポーター間でFAQを共有できると良い、機種・サービス・アプリについてわからないことがあれば専門の方に聞けるような仕組みがあると良い、活動する人が参加しやすい場所でマッチングできるような仕組みがあると良い、というご意見をいただきました。
 また、インセンティブについては、一番大きい要素として参加者に感謝してもらえるということがあり、これに加えて、定期的に活動できる場があることで満足感が得られる、活動に関する交通費等もあると活動がしやすいのではないか、というご意見をいただきました。
 最後にその他について、会場の集客が不足していると相談会の場でもやることがなくやりがいを感じづらい、同じ会場で何でも相談できるような相談会が定期的に開催されるという形式は高齢者の方にとって需要があるのではないか、というご意見をいただきました。
 こうしたご意見も参考にしつつ、今後サポーターを一般の方にも広げていくためにはどういった制度設計が必要になるのか、ということについて検討を進めていきたいと思っております。都で検討した骨格については、この後ご説明したいと思っております。検討中の素案で、これからより良いものへとブラッシュアップしたいと考えていますので、皆様から忌憚のないご意見をいただければと思っています。
 私からの説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

〇事務局
 久賀谷課長ありがとうございました。続きまして、TOKYOスマホサポーター制度について、デジタルサービス局戦略部戦略課の幸田からご説明差し上げます。幸田さんよろしくお願いします。

〇戦略課 幸田
 東京都デジタルサービス局の幸田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。先ほど久賀谷からデバイド事業の全体のご説明がありましたが、私からは、今年度から新たに始まるTOKYOスマホサポーター制度の骨格についてご説明させていただきます。本制度については、前回の5月に開催した第3回の会議の中でスマホサポーターの目指すべき姿や、どういった方々に活動していただくのかのコンセプト等について共有いたしましてその後ご意見をいただきましたので、今回は深掘りをした内容について皆様へご報告させていただきます。

 まず、東京都で目指すべきスマホサポーター像としては、目標を共有する後援者・同じ目線で相談に乗れる人ということで設定しました。スマホサポーターには、何でも答えられるスマホ専門家ではなく、悩んでいる方にしっかりと寄り添い、相談者が何に悩んでいるかを言語化し、一緒に解決できるような方を目指していただきたいと考えております。スキームについては、東京都がサポーターへ応募いただいた方に対してスマホを教えるためのスキル育成や人材登録に関して支援し、その後サポーターになった方が区市町村や町会自治会等の地域の場所でスマホに関する活動を行っていただくということを考えています。サポーターに求める能力としては、スマホに関することは当然ながらも、高齢者のわからないことを言語化できる、何を見たらわかるのかを案内できる、ネット犯罪等のスマホに対する不安を受け止められるということが重要ではないかと考えています。 また、支援を受ける高齢者といっても、つまずくところはそれぞれ異なるということで、高齢者のタイプを3分類で整理しました。1つ目の、そもそもスマートフォンがどう役立つのかわからない方々に対しては、スマホは便利であることをと伝え、スマホを持つ動機を与えてあげられることが必要ではないかと考えています。2つ目の、スマホを持つ動機はあるがどう操作をしていいのかわからない方々に対しては、操作の方法をわかりやすく言葉にして支援してあげられることが必要ではないかと考えています。3つ目の、動機もあり操作方法もわかるが実際に上手く操作できない方々に対しては、粘り強く向き合って丁寧に支援していくことが必要ではないかと考えています。高齢者のタイプを大きく3つに分けましたが、そのような方々に適切に対応できる人材像というのが、スマホサポーターの目指すべき姿であると設定しました。
 また、参考として、支援される方々がスマホを使ってどういったことができるのかについて日常利用と行政利用の2軸で整理し、日常利用は左から右へと、行政利用は上から下へと難易度ごとに並べました。スキルが向上するにつれて、左上から右下に向けて多様なアプリやサービスを利用できるようになるということを表しています。

 次に、スマホサポーターになりたい方にとってのエントリーから活動後の評価までの一連の流れの概要についてご説明します。応募・研修・登録・依頼等の各項目については、基本的に全てオンライン上で行っていくような形になります。それでは各項目について説明いたします。
 まず、エントリーについては、先ほど申し上げた理念や目的等に賛同いただける方が、それらを掲示したWebページからエントリーしていくということを考えています。その際に登録する個人情報は最小限としつつ、サポーターと支援対象者が安心して利用できるところを目指していく想定です。
 次に、エントリーした後は研修をe-learningという形でオンラインにて受けていただくことを想定しています。基本的には、スキルごとに、座学を受講した後に理解度チェックのテストを実施する予定です。ロールプレイング等の実技も次年度以降の検討範囲として入っていますが、制度を一般募集に広げていく最初の段階では、まずはオンラインでのスキル定着から実装していく想定です。
 そして、それらカリキュラムを受講・修了した方が登録の手続に移行します。登録においては、デジタル庁のデジタル推進委員と同様に、オープンバッジを基盤とする電子証明書を発行する予定です。一方、物理媒体の証明書等については現在検討中です。登録の更新期間については、原則1年間ごとを想定していますが、更新方法等については引き続き検討させていただきます。更新期間については、サポータースキルの維持・アップデートを支援する仕組みが必要ではないか、という理由で設定しているものです。
 サポーターに登録されてオープンバッジ等の電子証明書を発行した方は、支援を依頼する方とマッチングをして、実際に活動していただきます。最後に、活動後の第三者間評価として、本人のやりがいや制度改善等のためにフィードバックを実施していきます。

 ただいま説明した一連の流れの中からご意見をいただきたい内容について詳細に説明いたします。まずはカリキュラムについてです。先ほど、高齢者を3つに分類してそれぞれどのような対応が必要なのかを説明いたしました。それらを踏まえて、スマホサポーターの理念・目的・制度のような全体的な考え方や、基本的なスマホに関する知識、自治体等が提供するオンラインサービス、高齢者への接遇等、そしてトラブル・犯罪への恐怖に対する対応等をカリキュラムとして学んでいただく想定です。カリキュラム作成に当たっては、デジタル庁や総務省、渋谷区等の先行事例を参考に、各カリキュラムについて30分の受講と10分程度の小テストを実施して、合計4時間程度の研修を想定しています。
 次に、サポート活動の全体スキームについて説明いたします。全体としては、東京都が、相談会等を開催したい主催者、サポーターとなる人材に対して広報を実施し、両者をマッチングさせる仕組みを用意させていただく想定です。また、本連絡会にて随時ご意見いただくことで、制度についてアップデートを実施していきたいと考えています。
 マッチングの仕組みについては、今年度からすべての機能を実装するのではなく、既にサポーターとして活動いただいている層を一般の方々へと拡大していく段階で順次追加していき、サポーターの方々が活動しやすいように支援していきたいと考えています。まず、今年度については、令和5年1月中にWebページの公開と同時にエントリー・研修ができるように準備を進めています。そこから研修を修了した方が登録をしていただくという流れになります。一方、支援を受けたい方については、支援情報をすぐに登録していくのは難しいと考えておりますので、今年度にニーズ調査を実施する想定です。また、今年度登録されたサポーターの方の活動の場については、東京都の高齢者向けスマートフォン利用普及啓発事業等で体験会・相談会を中心にご活躍いただくということを考えています。来年度については、支援を受けたい方のニーズ調査をもとに支援情報をリストとして蓄積し、マッチングを始められるように準備を進めていく想定です。
 次に、サポーター活動の支援施策についてご説明します。大きく分けて、活動成果のフィードバック、知識スキルの向上、モチベーションの維持の3つを考えています。1つ目の活動成果のフィードバックについては、サポーターとしてきちんと活動できているのかを自身で振り返るためのチェックシートの提供や、実際に支援した方がどの程度スマホを使えるようになったのかを可視化できるような仕組みを検討しています。2つ目の知識スキルの向上については、目まぐるしく変わる環境に対応するため、知識のアップデートを支援し、来年度以降にロールプレイングの研修等を提供することを想定しています。3つ目のモチベーション維持については、サポーター同士が連携・コミュニケーションを取れるような取組を来年度以降考えていきたいと考えています。
 また、活動範囲の整理ということで、今後のサポーター活動について規約等を用意するに当たってのたたき台を作成いたしました。こちらは、前回の連絡会のご意見で、何をしたら良いのかだけではなく、何をしたらダメなのかについて明記した方がよいのではないかとお声をいただき検討いたしました。こちらは先行事例を参考に、国等の方針と真逆のことをやらないように留意して検討いたしました。
 最後に、効果検証・評価として、サポートが活動の結果を見える化してフィードバックをすることでより良い事業へとつなげていこうと考えております。また、サポーターの数や一人一人の活動数が増えることで、支援を受ける方にとって身近な人が増えていくと考えておりますので、活動者の数および質をどのように向上させていけばよいかについて整理しております。
 東京都の検討素案についての説明は以上となります。ありがとうございました。是非皆様からご意見を頂戴してより良い制度につなげていきたいと思っておりますので、本日は忌憚のないご意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

〇事務局
 幸田さんありがとうございました。これから意見交換及び質疑応答に移ります。まず、アドバイザーの岩﨑尚子教授よりご意見をいただきたく存じます。岩﨑先生、よろしくお願いいたします。

〇岩﨑教授(早稲田大学 岩﨑尚子教授)
 皆様おはようございます。ご紹介に預かりました、早稲田大学電子政府・自治体研究所教授の岩﨑尚子と申します。ご報告並びにご説明どうもありがとうございました。
 まず、令和4年度のデジタルデバイド事業におけるスマホ事業については、デジタルデバイドの解消という社会課題の解決に向け、大きく寄与する重要な事業であると認識しています。上半期の実績を拝見して、体験会は4000人、相談会は1200人の方が参加されたということで、短期間に非常に多くの高齢者の方々がスマホ利用普及啓発事業に参加したということで、こうした活動への並々ならぬご尽力が伺えると思います。
 また、スマホサポーター先行実施については、非常にモチベーションの高い方々の協力を得ながら多くの御意見をいただき有意義な事業になったのではないかと思います。また、以前から私は若年層と高齢者層の共生はデジタル社会に大きく寄与する重要な役割を果たすと考えていますが、学生も多く参加したということで、こうした意味でもこの事業の特色が活かせたのではないかと思います。今回得られたアンケート結果をしっかりと分析することで、既存の事業に何が足りないのか、どうすれば解決・改善できるのかを検討・検証し、今後の事業に活かしていただきたいと思います。また、標準化されたテキストや教育環境が設定されれば、効率的に教育を実施できるため、サポーターの量だけなく質の向上にも今後つながってくるかと思いますので、ぜひこの調査結果を最大限活かしていただきたいと思います。
 TOKYOスマホサポーター制度については、目標を共有する後援者・同じ目線で相談に乗れる方々を増やしていくということで、スマホ利用を普及させていく意味でこの取組はデジタル社会において非常に重要だと考えています。スマホもどんどん進化して便利になっていく一方、機能も複雑化していると思います。利用できれば非常に利便性が高く生活の豊かさをもたらしてくれるものであると思いますが、高齢者は安心安全という観点で懸念されている方が多いので、高齢者の懸念を解決してくれる制度であると期待します。 また、伺った内容ですと、研修制度も充実しており、サポーターの方々が習得すべきスキルや支援スキームが非常に整っている案であると思いますので、サポーターの量・質双方の充実をさらに進めていただきたいと思います。また先ほども申し上げましたが、リスクやトラブル対応については高齢者の方々が心配をされている部分かと思いますので、そういったサポート面をさらに詳細に整理していただくことがこの制度を進めていく上で大切な取り組みになってくるのではないかなと考えております。
 以上、簡単でございますがコメントとさせていただきます。ありがとうございました。

〇事務局
 岩﨑先生ありがとうございました。続きまして、会員様からご意見・ご質問いただきたく存じます。この場での意見交換に先んじて、事前に資料をお送りした際に頂いたご質問についてご共有させていただきます。

〇戦略課 幸田
 まず、事前に研修期間や活動開始時期といったスケジュールについてご質問いただきましたのでお答えいたします。こちらについては先ほどもお伝えしたとおり、現時点の検討状況でスケジュールどおりであれば、サポーターの募集は令和5年1月中、と考えています。また、若者や高齢者等の属性ごとにエントリー人数の上限はあるのかとご質問いただきました。それぞれのその属性に割り当てた人数は現時点では想定しておりませんので、どんな方でも多くの方に受講していただくようお願いしたいと思っております。ただ、来年1月から一般募集が始まるとなれば、早い方ですと1月から3月までに登録される方も出てくるかと思っておりますが、オープンバッジの発行数等を並行して調整しております。多くの方に募集をいただいた場合につきましては、調整が入る可能性はございますが、抽選等という形にはならないように対応していきたいと思っております。

〇事務局
 続きまして、挙手をしていただいた、ほっとスマホステーションの平林様よろしくお願いいたします。

〇ほっとスマホステーション 平林様
 ご説明いただきありがとうございました。私は今回の会議からの参加ということもありまして、以前までの議論になっていたら申し訳ございませんが、2点コメントいたします。
 1つ目は、小テストに関して不合格になった場合のフォローについては何か検討されているのか、またその後どのぐらいの期間を空けて再テストを受講できるのかを教えていただきたいです。2つ目は、スマホサポーターが1人で活動に参加する場合に、会場でトラブルがあった時の対応は特に学生だと難しいと思うので、例えばAEDを使わなくてはいけない場合などのトラブル対応を整理しておくと良いかと思いました。

〇戦略課 幸田
 平林様、ありがとうございます。1点目の小テストについて、テキスト等でスキルについて学んでいただくことを想定しておりますので、合格水準に満たない場合には、基本的には再受講していただくというようなスキームを想定しております。詳細についてはまだ検討が進んでおりませんが、再テストを特定期間は受け入れないようなことは考えておりませんので、基本的にはテキストを再受講してテストを受けていただく形を想定しています。2点目の活動について、例えば1人で活動した際のトラブル時にどうするのかについては、おっしゃる通り皆さんが対応できるようマニュアル等に整理していく必要があると思っております。そちらについても案が固まった段階で皆さんに共有させていただきたいと思っております。

〇久賀谷戦略課長
 2点目について補足いたします。活動に当たっては、活動の場と主催する方との連携が大事かと思っております。当然、サポーター1人で対応することは大変かと思いますので、主催の方や事務局がどう連携するのか等も検討・整理をして、サポーターを支援する仕組みにしたいと考えております。ご意見ありがとうございました。

〇ほっとスマホステーション 平林様
 私が様々な場所で相談に乗ったときも、団体の方たちを巻き込まず1人で対応するのは大変でしたので、連携を大事にできるとよいかと思います。ご回答ありがとうございました。

〇事務局
 平林様ありがとうございました。続きまして、ニューメディア協会の川村様よろしくお願いいたします。

〇一般財団法人ニューメディア開発協会 川村様
 質問は2点あります。 1点目は、日ごろから教えているベテランの方に対しては、何十年も教えているのになぜ試験を受けなければならないのかお叱りを受けてしまう可能性があるため、試験の免除などの配慮が必要ではないかと思っています。今まで教えた経験のない方には確かにテストが必要かと思いますが、既に経験のある方とは分けて考えていただければと思います。
 2点目ですが、令和5年度のマッチングですが、個人単位でマッチングするのか団体でマッチングするのかで懸念しております。例えば5人の人が必要になった時に、5人の方がバラバラに選ばれるのか、どこかの団体を中心として選ばれるのかでは指揮命令系統が分かれるため懸念しております。

〇戦略課 幸田
 ご意見いただきありがとうございます。
 1点目の研修内容について、令和5年1月から一般の人に広げていくという意味で、誰かに教えた経験がない方を想定してカリキュラムを設定しています。おっしゃる通り、研修を受けることが目的になってしまうというのは制度として本末転倒だと考えていますので、スマホの知識や教えるスキル、コミュニケーションスキルも含めて、我々が求めているスキル標準に達しているかどうかがわかるように制度を検討していかなければならないと思います。ご意見を踏まえて、研修を一律で実施するのかどうか考えていきたいと思っております。
 2点目について、現状明言はできませんが、支援を受けたい人は個人単位・団体単位いずれもありうると考えております。いずれにせよ、久賀谷からもありましたように、サポーターが安心して活動できるよう、主催者や事務局側と連携して支援することが必要で、サポーターの方々にもマニュアル等を整備する必要があると考えております。現在考えている内容で申し上げると、活動単位については、相談会等を1回単位で募集受付をしてそこに対して人を派遣していくという形を想定しておりますので、多様なマッチングの形があるのか思います。答えになってない部分もあったかと存じますので、ご不明な点があればまたご質問ください。ありがとうございました。

〇事務局
 皆様、多くの御意見・御質問をありがとうございました。 続きまして、次第2つ目の連絡会会員活動紹介に移らせていただきます。これまで本連絡会において第1回第2回ではデジタルデバイド是正の検討にあたって海外都市との先進事例について共有いたしました。また第3回の連絡会ではその取組を具体化し、会員の皆様と共同して進めていくため、会員である非営利活動法人2団体様からこれまでの活動や知見についてご共有いただきました。 今回は高齢者向けのスマホ教室など大変意義深い活動をしていると伺いました、京セラ株式会社様から活動について紹介をしていただきたいと思います。それでは京セラ株式会社の原田様、よろしくお願いいたします。

〇京セラ株式会社 原田様
 皆様、おはようございます。それでは、現在高齢者のデジタルデバイド解消に向けて取り組んでいることについてご紹介させていただきます。 京セラでは、スマートフォンやフィーチャーフォン、タブレット、IoT機器など様々な通信機器を作っております。私はその中で商品戦略商品企画部門の責任者をしつつ、私自身が高齢者向けのスマホ教室で講師を実施したり、スマホ相談員の育成もやっております。
 本日は、スマホ教室を始めた理由、京セラスマホ教室の特徴、スマホサポーターの存在の3点についてお話をさせていただきます。
 この後、説明の中で「高齢者」という表現を何度もいたします。ただ「高齢者」といっても様々な方がいらっしゃいますし、皆様も様々な方を思い浮かべるのではないかと思います。本日、私が「高齢者」と表現する場合は、「失敗する前に失敗してしまったことを考えて現状にとどまってしまうような人、諦めてしまうような人」をイメージしてお話します。例えば、スマートフォンをせっかく買ったものの有料か無料かわからないからアプリを使いませんと、いったような方をイメージしていただくとよいのではないかと思います。

 それでは1つ目に、通信機器メーカーである京セラが、スマホ教室を始めるに至った理由についてお話します。
 まず、ガラケーからスマートフォンに機種変更した高齢者に対して調査したところ、スマホデビューした高齢者の約2人に1人は、ガラケーと同じ使い方しかできていないという結果がわかりました。私たちは少しでも高齢者の方にわかりやすいスマートフォンを提供したいと思い、日頃製造しているものの、実態調査をしてみるとこのような結果でした。
 私は商品企画の人間なので、たくさんの高齢者の方に実際お会いしてインタビューをします。その中でスマートフォンが使えるようになるには大きく2つの壁があると感じています。 1つ目は操作の壁です。これは、ガラケーのボタン操作からスマホのタッチパネルに変わり、画面を触る操作や長押し等の操作が高齢者にとって分かりづらいものになっていることが原因です。ですが、これは時間経過で慣れていきますし、スマホメーカーが画面デザインを工夫することで解決する余地はまだまだあると思っています。
 もう1つの壁は活用の壁です。この壁は非常に高く、高齢者1人ではなかなか越えられません。スマホを買ったけども何をしていいかわからない人はまさにこの壁を乗り越えられない人たちだと感じています。商品を提供するだけでは、この壁を乗り越えることは難しいと感じたので、私たち自身で高齢者にスマートフォンの使い方を教えようと考えました。

 続きまして2つ目に、京セラスマホ教室の特徴についてご説明します。
 スマホ教室自体は通信事業者様でも注力して取り組んでおられますし、ショップやオンライン様々な講座が行われております。一方、我々京セラは2人でスマホ教室を実施しているため、マンパワーの面でも私たちが通信事業者様と同じスマホ教室を始めたところであまり意味がありません。私たちはメーカーなので、高齢者の困りごとをものづくりに反映することに加えて、それ以外に何か貢献できることがないのかと考えました。そこで京セラのスマホ教室のコンセプトを「地域で取り組み楽しさ達成感を重視した次につなげるスマホ教室」と定めました。
 特徴の1つ目は公共性です。携帯ショップのスマホ教室に行くと契約させられそうといった声が一部の高齢者でありました。実際にスマホ教室に参加したから契約されるということはないと思いますが、そういった不安を持っているということが事実としてあるかと思います。しかし、オンラインのスマホ教室はまだまだハードルが高いものです。そのため、地域の公共施設にてどの通信キャリアのどのメーカーを利用しても参加できるスマホ教室を実施しました。故に、スマホ教室で使う機種は参加者全て違いますし設定も全てバラバラなものです。ただ自分が使っている機種で使えるようにならなければ意味がないため、このようにしております。
 2つ目の特徴は体験です。操作はある程度慣れで解決できますので文字入力の練習などはあまりやりません。その代わり、音声入力などの新しいことを体験してもらうことに取り組んでいます。そうすることで「新しい」「できた」を実感してもらうようにしています。「できた」という楽しい実感があれば、スマホを使うようになりますし、使うことで慣れにもつながりますので、そういったプログラムを組み立てるようにしています。
 3つ目の特徴は自走です。京セラは教室を2名でやっています。あくまでもメーカーが本業なのでこの活動に避ける時間も当然限られております。そのため、私たちがスマホ教室をやるときは必ず地域の福祉施設からボランティアを募集し、次のスマホ教室の講師を育成し、私たちがいなくなった後でも地域で教えられるように、といった目的を持って取り組んできました。
 京セラの通信機器事業本部は横浜市の都筑区にありますので、2019年から横浜市を中心に活動をスタートさせ、延べ1100名以上の高齢者の方に参加をしていただいています。参加された方のアンケート調査結果ですが、満足度は97.3%、次も参加したいという方は95.5%といったような評価をいただいております。アンケート調査の中で書いていただいた内容の一部ですが、新しい体験ができたことに対して楽しいといった声や、自分でやってみるといった前向きな回答が多く寄せられています。いくつになっても新しい体験は楽しいことなのだと思います。
 京セラの特徴として紹介しましたが、安心して参加できる公共性、新しい体験といった点では上手くいきましたが、地域のボランティアの方をスマホ教室の講師に育成するといった取組はなかなか結果が出ませんでした。なぜ自走しないのかといった背景を考えてみますと、サポートする側にある程度のスキルが求められるからです。スマートフォンのOS、キャリア、メーカー、アプリ、設定、契約内容などが複雑に絡み合い、1人ずつ環境が異なるため、自分が使っている機種なら教えられるものの知らない機種のサポートをするということになると難しいと感じる方が多くいらっしゃいます。さらに高齢者の方は困っていることを言語化するのが非常に苦手です。状況を把握するためにも、当然スキルが求められます。こういった状況を打破しない限りなかなか自走しないなと感じました。

 そこで始めたのが、本日の3つ目の内容であるスマホサポーターを養成する取組です。
 スマホサポーター養成の取組は、横浜市の西区や中区の社会福祉協議会と一緒に取組んでおり、地域でスマホをサポートする人材を育成するというだけでなく、地域の人、特に60代以上の社会参加の機会を創出していくといった狙いもこの取組は兼ねています。
 現在実施しているスマホサポーター養成講座のプログラムは4回以上にわたるものになっています。1回目は、スマホを教える時の心構え、後ほどご紹介しますが7つの心構えを伝えています。2回目は、疑似演習としてのロールプレイングです。実際に教える側と教えてもらう側を体験し、どのように自分が変わればことで高齢者のより良いサポートにつながるかを考えてもらっています。2回目が終わると、実際に地域の高齢者サロンに地域ケアプラザの職員と一緒に出向きスマホサポーターとして活動してもらいます。これをフィールドワークと呼んでいます。3回目は振り返りミーティングを実施します。実際にフィールドワークを通して自分ができたことと、こうすべきだと感じたことをスマホサポーター同士で話し合い、どう行動すべきかの理解を深めてもらいます。それ以降は、フィールドワークと定例会を繰り返し、実力を上げていきます。定例会以外での情報交換はグループLINEを使って機種に関する問い合わせや、困りごとをスマホサポーター同士で助け合うのはもちろん、京セラからもサポートをします。

 スマホサポーター養成講座の初回に、私からサポーターの皆さんにいつも問いかけることがあります。

 「迷惑メールが届いて困っています。届かないようにしたいけどどうしたらいいかわからなくて。」皆さんならこの問い合わせに対してどう答えますか。

 ということをスマホサポーターの方に考えてもらっています。迷惑メールを拒否する方法を教える多くの方がこのような回答をしますしこれも正しい回答だと思います。 ただ私が高齢者向けのスマホ教室でこの回答はあまりしません。メールを拒否したとしてもまた違うアドレスから届き、結局はいたちごっこになってしまう可能性が高いからです。では私はこういう時どのように答えるかというと「気にしなくて大丈夫ですよ。」と答えます。相談をしてきた高齢者の方の様子にもよりますが、迷惑メールから届くから届かないようにしたいという困りごとに対して、拒否する方法も正しいと思いますが、無視しておいても実害がないのであれば「大丈夫ですよ。」と伝えてあげるといった安心感につながる回答も重要なのではないかと思います。こういった寄り添い方がスマホサポーターには必要なんじゃないかと思っています。
 さらに、私がもう一つ気をつけていることは理解できるように伝えるということです。気にしなくて大丈夫ですよ、という言葉をより安心して伝えるには、高齢者が身近に体験する他の例に置き換えることです。迷惑メールであれば、「自宅のポストに届く広告と同じで皆さん広告届いても気にしませんよね、だから大丈夫なのです。」と言ってあげればより安心してもらえるのではないでしょうか。
 また、スマホサポーターとして活動しはじめると、自分が全く使っていない機種やアプリのことを聞かれて、難しいので私にはサポートできない、と自信をなくすシーンが多々出てくると思います。実際そういったスマホサポーターの方にも私は多くお会いをしております。
 本来、質問者がキャリア通信会社、販売店メーカーに聞くことができればサポーターの存在は必要ありません。しかし実際には聞けないからスマホサポーターの存在が必要です。皆さんが相談され困りごとに対して解決できることは素晴らしいことですが、それ以上に意識してほしいのは、その場で無理に解決しようとせず、「お店にこうやって相談してみてください、こうやって問い合わせをしてみてください。」と次に橋渡しとしてあげることです。ですので、わからなくても全く自信をなくす必要はありません。
 次にどうすればいいかを示してもらうだけで、質問者にとっては大きな解決の一歩を踏み出すことにつながります。そして、ありがとうという言葉が溢れる存在、それがスマホサポーターなので、高齢者に寄り添い背中をソフトに押してあげてください、といつも伝えるようにしております。  最後に、スマホサポーターとして活動するにあたり私が必ずお伝えしている7つの心構えについてお伝えします。

  1. 質問にそのまま答えることが、回答にならないことがある
  2. 「大丈夫ですよ」と相手に寄り添うことが大事
  3. 事実を一生懸命伝えるよりも理解してもらうことの方が大事
  4. 高齢者の質問に答えられなくても当たり前
  5. 困りごとの解決だけではなく、使える体験を加える
  6. 使う必要がないカタカナ用語や専門用語は可能な限り避ける
  7. 機能説明だけでなく、活用の仕方をイメージさせる

 これから東京都様でもTOKYOスマホサポーター制度の詳細を検討されると思いますがこの連絡会でこのような事例も考慮しながら意見交換ができればいいなと思っております。
 以上で京セラからの取り組みの紹介を終わります。お時間をいただきましてありがとうございました。

〇事務局
 原田様、ありがとうございました。
 ただいまご紹介いただいた京セラ株式会社様の取組に関して、まずはアドバイザーの岩﨑尚子教授よりコメントいただきたく存じます。岩﨑先生よろしくお願いいたします。

〇岩﨑教授
 原田様どうもありがとうございました。 多くの高齢者の皆様にヒアリングをして開発に携わっているということを伺いまして、非常に高齢者目線を大事にされていると思いました。利用ではなく利活用の壁をどう超えていくのかという点は、私もスマホ教室をやってまいりまして実感した次第です。また、達成感を得られる体験はとても大事で継続性につながると思います。サポーターの7つの心構えについても大変興味深く拝見しました。 地域に関するお話がございましたが、地域によって高齢者のタイプも異なるかと思います。タイプというのは、例えば、スマホの所有率・利活用率あるいはアプリの種類といった関心興味という意味です。以前、東京都と横浜市でスマホ教室を開催したことがありますが、それぞれ参加者にも特色があるということが実施した調査結果でも明らかになりました。こうしたユーザーをどのように分類するのか、一人一人にカスタマイズしていくということはビジネス上難しくても、どうグループ化していくのかといった点について、事業や貴社の商品開発にぜひ活かしていただければと思います。
 簡単でございますが、コメントとさせていただきます。ありがとうございました。

〇京セラ株式会社 原田様
 御意見いただきありがとうございます。岩﨑先生からコメントいただいた高齢者のタイプについては、まさに私たちも同じように感じています。私たちは地域ケアプラザ等と一緒にスマホ教室をやっているので、スマホ教室をやるときにその地域のお店だったり、交通手段を調べたりするようにしています。また、具体的な機能説明をするときも、画一的な説明をするというよりは、バスを多く利用しているところであれば、例えばカメラの写真撮影一つとっても、バスの時刻表を取るようなメモの仕方であったり、バスの時刻表を音声検索を使って簡単に調べる方法であったりとカスタマイズしております。本当はそれをすべて商品に活かすことができればよいのですが、一つの商品で地域差についてもカバーするのは現状難しい部分もありますので、スマホ教室の運営で地域にあった商品展開というところを実現できるように取り組んでいきたいなと思っております。ありがとうございました。

〇事務局
 続きまして会員様からご質問等ある方はいらっしゃいますか。

~質疑なし~

 それでは、今後の連絡会の開催予定について事務局よりご案内いたします。
 次回、第5回の連絡会は令和5年2月頃に開催を予定しております。こちらでは都のデジタルデバイド事業に関して、令和4年度における進捗報告や令和5年度における東京都予算事業に関するご説明を実施予定です。また連絡会以外でも随時会員の皆様へのアンケート等を実施させていただく予定です。引き続きご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。
 本日予定しておりました案件については以上となります。最後に、全体を通して岩﨑先生から何かございましたらご発言いただければと思いますがいかがでしょうか。

〇岩﨑教授
 本日は多くの皆様にご参加いただいているということと、新たに会員としてご入会いただいた方がいらっしゃるということを伺いまして、今後の活動の広がりを引き続き期待したいと思います。また、本日は京セラ様からも大変有意義な活動についてご報告いただきましてありがとうございました。参加しておられる皆様からの多くのご質問や意見を伺いまして、今後の事業展開にも重要な示唆になったのではないかなと思っております。 特に参加される高齢者の皆様方の目線で、そういった方が参加しやすい環境を検討することが大事かと思っていまして、参加される高齢者の皆様方はやはり社会貢献できるということの喜びを持って参加される方がほとんどだと思っています。こうした皆様のお気持ちも十分に汲み取って制度設計を進めていただければと思います。
 やはり、教える、覚える、あるいは何かをやらなければいけないといった堅苦しいものではなく、使えたら楽しい、便利だという前向きな支援をする制度となり、私が以前から申し上げている、幸せに年を重ねる高(幸)齢社会を迎えられればよいとに思っております。以上、簡単ですがコメントとさせていただきます。

〇事務局
 岩﨑先生ありがとうございました。
 また、本日ご出席いただいた皆様におかれましては、お忙しい中ご参加いただきましたことを改めて御礼申し上げ、本会を終了いたします。ありがとうございました。

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