第一回 東京デジタルフォローアップ官民連携連絡会議事録

令和3年11月29日(月)
14:00~16:00 東京都庁第二本庁舎10階
201・202会議室 (オンライン併用開催)

1.次第

(1)2021 年デジタルの日「都内一斉スマホ相談会」の結果の共有
(2)先進事例の共有:諸外国の取組紹介(駐日シンガポール共和国大使館)

2.議事内容

〇事務局(デジタルサービス局戦略部戦略課)
 定刻になりましたので始めさせて頂きます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本連絡会の立ち上げ趣旨について説明します。本連絡会は年齢などを要因とする高齢者などのデジタルデバイドの是正につきまして、身近な人が身近な場所で助け合うデジタル社会を実現するために、官民が連携してデジタルになじみのない高齢者をフォローしていく取組等の関連事項を共有することを目的に設置するものでございます。
 本日の連絡会は、本連絡会の目的に関する取組を実施しております民間企業やNPO法人、財団法人等の皆様にご出席いただいております。また、都内区市町村・その他の関係者の方々にも聴講していただいております。

 今後、本連絡会の目的にご賛同頂いた企業、団体、行政機関等をメンバーとして、情報共有や意見交換等の連携を図ってまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。
 次に本日の議事次第についてご説明いたします。まず、東京都より2021年デジタルの日に官民連携で実施した都内一斉スマホ相談会の結果を共有させて頂きます。そのあと、諸外国の先進的な取組としまして、駐日シンガポール共和国大使館のダレル参事官よりシンガポールの取組をご紹介いただく形となっています。
 それでは、開会にあたりまして、本連絡会会長のデジタルサービス局戦略部長の深井より挨拶させて頂きます。

〇深井戦略部長
 本連絡会の会長としてご紹介預かりました東京都デジタルサービス局戦略部長の深井です。
 東京都では昨年、都民や事業者との接点となる行政手続デジタル化の通則を定めるオンライン通則条例を改正し、これまで原則書面だった東京都の手続を、原則デジタル化とする東京デジタルファースト条例へと抜本的に見直しを行いました。また、コロナ禍を契機に都政の構造改革を進めており、3月に策定したシン・トセイ戦略に基づく、都庁のデジタルトランスフォーメーションの推進など、行政のデジタル化を進めています。
 一方で、行政手続をはじめ行政サービスがデジタル化するなかで、いわゆる、デジタルデバイドの問題に取り組むことが重要です。東京デジタルファースト条例においても、このデジタルデバイドの是正は東京都の責務として義務付け、今年度から新たに高齢者に対するスマホの利用促進に取り組む企業や都民により近い区市町村と連携して取り組んでいます。
 特に主要デバイスであるスマートフォンの普及率が低い高齢者に対するアプローチとして、スマートフォンの便利さや利用に対する心理的ハードルを下げる普及啓発を行っており、スマートフォンの利用に関する相談会を通して、多くの方にデジタルを身近に感じてもらう取組を実施しています。高齢者がスマートフォンを継続して利用するためには、利用目的の動機付けを明確にする、誰にでも簡単で便利に利用できる環境構築が重要となります。
 こうした点について、今回ご参加いただいている民間企業や地域でご活躍される皆様の知見や経験を取り入れ、官民連携して取り組んでいきたいと思っています。今後、こうした取組を契機として、多くの高齢者にスマートフォンを身近に感じてもらうとともに、これからのデジタル社会においても、誰もがデジタルの恩恵が受けられるように東京都として取り組んでまいります。

〇事務局
 深井会長ありがとうございました。
 本日の次第の一つ目の2021年デジタルの日の都内一斉スマホ相談会の結果について、東京都よりご説明します。

〇友光デジタルシフト推進課長
 デジタルサービス局デジタルシフト推進課長友光より説明させて頂きます。よろしくお願いします。
 はじめに本日の連絡会に至りました経緯について説明します。 デジタルの日10月10日と10月11日に都内一斉スマホ相談会にご参加いただいたかと思います。その後10月18から22日の間に、ご参加いただいた皆様と得られた結果を共有いたしまして、意見交換を実施しました。そして本日、官民連携連絡会ということで、デジタルデバイドの是正のために官民一緒になって議論できればと考えています。
 まず、都内一斉スマホ相談会について、少し振り返りをさせて頂きます。
 10月10、11日の2日間、都内延べ34か所で実施しました。区市町村や民間事業者様にご協力いただいて、相談員として本日ご参加いただいた皆様、通信事業者、スマートフォンメーカー、NPO法人、大学生等、様々な方にご協力いただいて、相談会を実施しました。
 今回すべての会場でご相談いただいた方は540名になっています。この中で女性は約7割、70歳以上は7割という結果になっています。ご相談に来た方は、ほとんどがスマートフォンをお持ちで、1年以上利用されている方が約半数という結果になっています。また、身近にスマートフォンについて聞く人がいるか、という問いについては半数がいないと回答しており、過去にスマートフォン教室に参加したか、という問いについては約7割が参加したことがないと回答されました。相談できる場所については、ほとんどの方が必要と回答しており、相談会の形での開催が希望として多くありました。場所については、公共施設のような身近に立ち寄れる場所を希望されています。
 相談の中身ですが、今回相談いただいた皆様の相談内容を分析すると、LINEが単語として多く見られました。また、使い方、アプリ、QRコードといった単語が出てきました。共起ネットワークで見てみるとLINEやQRコードに関することや、アプリ、ダウンロードといった言葉のつながりがみられるほか、写真を送る方法など、写真に関する興味関心があるものの使い方が分からないということで、ご相談いただいたというケースが多いと思われます。
 これまでの一斉スマホ相談会の分析を踏まえまして、クロージングミーティングも行いました。ご参加いただいた皆様にチームに分かれて頂いて、考えられる原因の深掘りをする、ワークショップという形式で開催させていただきました。
 8班に大きく分けて4つのテーマ、①どうしてつまずいてしまうのか/どうして高齢者は限られた機能しか使わない(えない)のか、機能を知らない(れない)のか、②近くに聞く人がいない人は、スマートフォンに関連した相談をどう解決したらいいのか、③相談会に来なかった人をどうすればいいと思うか、懸念があってもなぜ相談会に来ないのか、④スマートフォンでオンライン予約ができるようになるためには、どうすればいいか、についてお考えいただきました。
 まず、どうしてつまずいてしまうのか、高齢者は限られた機能しか使わないのか、についてですが、詐欺への恐怖、興味や動機がないという意見がありました。近くに聞ける人がいない、については、家族に対して遠慮がある、電話とメールで十分と思っている、調べ方が分からない、わからないことを言語化できないという意見がありました。相談会に来なかった人をどうすれば良いか、についてですが、参加しても解決できるかわからない、分からないことが分からない、営業行為への不安、といった意見がありました。オンライン予約に対しては、必要性が低い、認知されていない、怖いといった声がありました。
 これらクロージングミーティングで得られた意見をまとめました。これは心理的要因と環境的要因に分けることができ、心理的要因は知識や目的・興味への欠如、詐欺やセキュリティへの不安や先入観や抵抗感などです。環境的要因のほうは、身近に聞ける人や場所がないとあり、コロナの影響もあるのか、遠いや混雑への抵抗感といったものです。 こうした課題を踏まえまして、今後これらを解決するために、大きく方向性を検討してまいりました。方向性として、心理的要因のところでは、利用者のスキル向上だけでなく、教える人を増やす、教える人のスキルの向上があります。環境的なところでは、教えあう環境の整備などが考えられています。こうした方向性で、高齢者が教えあえればよいのか、高齢者がどういったレベルまでスキルを持てればよいのか、基準を官民連携で策定していきたいと考えています。また知識、利便性、安全性についても教えられるデジタルサポート人材の育成や、教えあう環境として、地域コミュニティの強化を軸として考えていければと思います。
 これらの柱の元に、具体的な解決策として、今検討しておりますのは、高齢者のスマートフォン活用のスキルラダーとしてのどこまでスキルを持ってもらえればよいのかの確立や、サポート認証制度も考えています。さらに地域コミュニティに参加できるといったモデルなど、具体的な解決策も策定したいと思います。こうした解決策を通じて、身近な人が身近な場所で助け合うデジタル社会の実現を目指していきたいと考えております。 まとめにかかりましては、行政だけではできない部分もあります。皆様のご協力が必要なところもございますので、是非、官民連携の連絡会を通じて、引き続き、具体的な解決策を導き出だせればと思います。簡単ではございますが、説明は以上です。

〇事務局
 続きまして、駐日シンガポール共和国大使館のダレル参事官よりシンガポールの取組についてご紹介いただきたいと思います。
 詳細はnote(以下のリンク)をご覧ください。 https://note.com/tokyo_cio_forum/n/n95d56bbe95cb

〇事務局
 本日の次第は以上となりますが、今後この連絡会を発展させていくことを考えてございまして、今後の予定についてご説明させていただきます。  次回の第2回連絡会につきましては、東京都の令和4年度の予算決定後である2月上旬頃を予定してございます。予算関連の事業を具体化していくという段階に入っていきますので、そういったところを皆様と意見交換させていただきながら進めさせていただければと考えてございます。具体的には、令和4年度に入りまして具体的な取組の方針案をご説明させていただき、皆様からご意見賜りたいと考えてございます。今後、アンケート等で皆様のご意見いただきながら内容について検討をしていきたいと考えてございます。
 もう1点、東京都からの連絡でございます。この度、東京都の今年度事業でスマートフォンの活用に向けたリーフレットを作成いたしました。こちらはスマートフォンに馴染みのない方々が、どういったきっかけでスマートフォンを始められるのかというところに着目して、スマートフォンでどういったことができるのか、心配事、どうやって選べばよいのかなどを記載しております。ぜひリーフリットを皆様の活動の中でご活用いただければ幸いでございます。
 予定しておりました案件については以上でございます。最後に何かご質問等ありますでしょうか。
 特段ないようですので以上とさせていただきたいと思います。本日ご出席された皆様におかれましては、本当にお忙しい中ご参加いただきましたことを、改めて御礼申し上げ、本日は終了とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。(終)

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