第4回施設系データ集約ワーキンググループ(WG) 議事概要

時間:2022/3/17(木曜日) 16:15~17:00
場所:都庁19A会議室

アジェンダ

  1. これまでの活動成果/アイデアソンの振り返り
  2. トイレ施設の付加価値向上に向けた実証報告
  3. トイレ施設データの活用検討・意見交換
  4. 今後の活動方針

議事概要

1. これまでの活動成果/アイデアソンの振り返り

(1)施設系データ集約WG概要

ア.官民の施設、設備データを集約し、利活用を推進するWGとして、昨年7月より活動を開始した

イ.施設データの流通が街の来訪者が快適に暮らせるサービスの提供につながっていくことを目指し、まず西新宿、トイレ施設を対象にモデルケースづくりを進めている

ウ.計4回のWGを開催し、アイデアソンなどの取組も通じて、皆様のご意見、ご協力をいただきながら、西新宿のトイレ施設データの収集、データフォーマット案の検討などを推進

(2)データフォーマット案の検討

ア.統一フォーマットで都内全域のトイレデータを一括提供できるような姿を将来像として検討を進めてきた

イ.福祉保健局のフォーマットと、政府CIO推奨データセットをフォーマットのベースに、機能分散などのトイレの最新動向や利用者ニーズ、データの取得や更新の負荷と、利用者のニーズや設備情報の検索可能性も考慮し、必要な項目追加・絞り込みを実施

ウ.実際に施設にてデータ収集を実施すると、かなり多岐に渡る事項を検討する必要性が明らかになった
(以下例示)

(ア)オストメイトの有無はトイレの機能分散が進んでいることにより、どなたでも利用できるバリアフリートイレにおける有無だけではなく、男女エリア別の記載分けが必要である

(イ)幼児用設備の項目は、一口に幼児用の設備といってもベビーチェア等々含めて非常に多くの設備が存在するため、ニーズを踏まえた検索のシーンを想定し、「おむつ交換台」を対象とした

(ウ)中層階の表記を「.5」表記で表すこととした

(エ)曜日や季節によって利用時間が変動することがあることから施設ホームページへのリンクを貼るなども対応も必要

エ.今年度西新宿エリアでは最終的に、計8施設、78か所のトイレデータ、内36か所からバリアフリートイレの情報も収集させていただきデータフォーマット案に反映した

オ.データ収集の効率化に向けたスキームの構築は課題、今後検討が必要である

(3)アイデアソン

ア.収集したトイレ施設データの維持・更新手法、付加価値向上といった課題への解決策、施設データを活用した新たな取組に関するアイデア出しをテーマとして、WGで参加者を募集し、テーマごとにグループに分かれてディスカッションを実施した

イ.クローズドかつ参加者間の顔が見える環境で、活発な意見交換の場になった

ウ.オンラインホワイトボードツールも活用し、インタラクティブなディスカッションができるようにした

エ.参加者からは「新たな気づきになった」などの良い意見をいただいたが、「時間が少し足りなかった」、「もう少し課題を深堀できればよかった」などの課題もいただいた

オ.今後もこのアイデアソンのような意見効果の場を継続して設けることで、新たな企画にも活かしていきたい

カ.アイデアソンでいただいた意見やアイデア

(ア)施設データの付加価値の高い提供方法として、安全な移動提案のためのルート案内、トイレ状況の可視化などの意見が出た

(イ)課題であるデータの維持、更新については、行政の後押しの重要性や、更新の負荷を軽減するアイデアなどが議論された

(ウ)新たなユースケースについては、参加事業者の自社のソリューション、サービスを連携させた取組案等のアイデアを紹介いただいた

(4)第3回のWGでの意見

ア.トイレ施設データの活用やデータの更新などの課題についていただいたご意見も踏まえ、来年度の活動、さまざまな課題への対応策検討を進めていく

2. トイレ施設の付加価値向上に向けた実証報告

(1)トイレデータの付加価値向上に向けた取組として、都が保有する施設である、東京文化会館と東京芸術劇場両施設の一部のバリアフリートイレを対象に、空き状況を可視化する実証を3月10日から5月10日まで2か月間の期間で実施

ア.対象トイレの施設の扉の部分へ、開閉と人感を検知するセンサーを設置し、そこから得られたデータ集約して、空き状況の可視化サイトにてリアルタイムで利用状況を反映する流れ

イ.エンドユーザーとなる来訪者の方々は、対象施設のホームページ上のリンクや、施設にて設置・配布をするQRコード等から、空き状況の可視化サイトへアクセスすることで、空き状況の確認が可能

ウ.本実証を通じた検証事項

(ア)アンケートや問い合わせ等々を通じて利用者の声や反応を収集し、このような取組を今後拡大していく上での課題とスキームを整理する

(イ)実際に取得できる1日の利用頻度等の利用状況データを活用し、施設の管理者によるメンテナンス用途等々、活用方法を検討する

(2)実証に対する協力事業者からのコメント

ア.バリアフリートイレを必要とする方から「トイレがどこにあるのかわからない」「実際に場所がわかって行ってみたけど、空いていなかった」などの課題が非常に多いと伺っていたため、そうした課題に対し、マップ上で空いているトイレがわかるサービスという形で今回実証実験に取り組んでいる

イ.現在バリアフリートイレが必要な方だけでなく、将来に必要になる方々のためにも、今回の実証がきっかけとなればよいと考えている

3. トイレ施設データの活用検討・意見交換

(1)「デジタルツイン3Dビューア」の「データを地図上に重ねてみる」機能の中で、今年度収集したトイレ施設データをご確認いただけるよう準備を進めている

ア.自らデータの活用を検討したことで、地図上でトイレ施設をどう表すかなど、サービス実装に向けたいろいろな課題を理解した

(2)意見交換(参加企業A)

ア.既存の、ベビーカーを必要とする赤ちゃんや小さなお子様との移動に関して、移動前、移動中、移動後をトータルでサポートするようなウェブサービスの中の機能の一つに、外出先周辺の授乳室やおむつ替えをする場所を検索する機能があるが、この中でトイレデータを使えるのではないかと考え、サービスイメージを作成した

イ.サンプルデータのうちどういったデータが使えるのかというところを整理し、ピックアップした

(ア)トイレのアイコンを選ぶと、施設の写真、おむつ交換台の男性トイレ、女性トイレ、多機能トイレでの有無、授乳室の設置があるか、最終更新日の情報等が確認できるようなサービスを想定

① 同じ建物で複数のトイレがある場合も、どちらのトイレに行くのが良いのかなどの判断ができると良い

(イ)サービスイメージを作成した結果、実際に活用できる可能性は感じており、今後データの拡充、運用面の課題解決がある程度進めば、サービス実装も検討できる

ウ.サービスイメージを検討してみたうえでの要望

(ア)地図上でピンを刺すために緯度経度は必須である

(イ)住所は利用者に基本的に見せた方が良い(利用者間での共有をするため)

(ウ)駅のトイレデータについては改札内、改札外といったような情報も含めるべき

① 例えば地下1階の改札外、○○出口付近にあるトイレというような形

(3)意見交換(参加団体B)

ア.トイレ施設データ収集に協力するにあたり、一般の方のトイレの利用があるホテルや商業施設の方々を中心に声をかけた

(ア)施設の方から「利用者の方からよくトイレの場所の問い合わせがある」という声もあり、実際にエリアの中でもトイレデータは高いニーズがあることを理解

(イ)データ収集の大変さを実感したため、データの収集や更新は自動で実施できるような仕組み作りができるとよい

① 施設管理者への説明・同意取得、データを集めるべきトイレの取捨選別等に労力がかかる

(ウ)サービスと紐づく形で情報が収集できると理想的である

(4)意見交換(参加団体C)

ア.トイレ施設データの地図サービス上での活用を想定し、現状フォーマット案における課題等整理した

(ア)共通のID

① トイレ施設ごとに共通のIDが付与されているため、データの管理・更新等の作業がしやすい

② IDが付与されることで、いろいろなデータとの重ね合わせ・リンク付けが可能になるため付加価値を向上させられる

(イ)緯度経度

① 緯度経度情報は必須

(ウ)セルの中の空白のデータ欄

① 管理しやすいように、データとして未確認であるとか収集できていないところでも何かしらの情報は入れるべき

(エ)設置フロアの定義

① 国土地理院等のガイドラインの仕様に準拠しているのはよい

(オ)住所情報

① 幅広い利用者のニーズ、新しいサービス開発のため住所検索ができたほうがよい

(カ)トイレの写真

① 写真の意義を考え、単に写真を貼るだけでなくて、どのような写真が必要なのかというところを検討すべき

(キ)その他情報の付加

① 検索のための仮名読み

② インバウンドのためのアルファベット表記

③ 更新日に併せて更新者の記載

④ 情報のフラグ分け

⑤ リアルタイム情報

イ.フォーマット案全般に関するコメント

(ア)データ提供者に加え、データ使用者の視点を押さえるべき

① 共通のID等、共通のルールに則って対応すべき

(イ)利用者の視点を押さえるべき

(ウ)検索が容易に可能なデータ仕様にすべき

① 利用者の方はスマホを利用して検索する状況が考えられるので、検索可能なデータ(希望するトイレがあるのかどうか=施設情報、それはどこにあるのか=位置情報、どのようなルートでいけるのか=経路情報)を意識しながら、データ収集・整備をすべき

(エ)ガイドラインに準拠すべき

(オ)組織間で連携する取組を継続すべき

ウ.将来的には街・人・モビリティの情報をネットワークでつなげていくと利用者の方にとっては便利なものになりトイレ情報も付加価値が向上するのではないか

4. 今後の活動方針

(1)今年度の成果・課題認識を踏まえて来年度の取組を整理

ア.施設データの集約のモデルケースの完成

(ア)効率的なデータ収集、更新の手法、フォーマットの更なる整備の課題の対応策を更に具体化し、データの収集から維持、更新までの枠組みをつくってサービス実装に繋げていくことを目指す

(イ)混雑WGにおける施設IDの検討の取組もその一環として本WGに統合して行う

イ.他エリア、他施設の展開に向けた準備

(ア)今年度、西新宿のトイレ施設を対象に検討したモデルケースを、どのように展開していくのかについて皆様のご意見も伺いながら準備を進める

ウ.関連事業のケーススタディ事業におけるWGの検討テーマについての協力事業者の公募

(ア)WGと連動し、サービス実装につなげる実証に取り組んでいく予定

以上

記事ID:110-001-20231205-007720