第3回施設系データ集約WG 議事概要
日時
令和3年12月6日(月曜日)13時00分~13時30分
アジェンダ
- 第2回WGの振り返り
- 進捗報告
- 意見交換
- 今後の予定
議事概要
1. 第2回WGの振り返り
(1)第2回WG
ア.本WGでは施設データ集約のモデルケースとして西新宿のトイレ施設データの集約を進めている
イ.第2回WGでは、データフォーマット案やデータ収集施設の調整状況の報告、意見交換を実施した
(ア)データフォーマットは、東京都福祉保健局のだれでもトイレオープンデータフォーマット、政府CIO推奨データセットをベースに、多機能トイレの機能分散の流れなど、施設の最新動向を取り入れたものとする検討方針を示した
(イ)検討材料として、サンプルデータ収集を通じ判明した事項なども報告した
(ウ)意見交換においては、対象者を絞らないデータにしたほうがシチュエーション別に活用しやすい、緯度・経度に基づくデータが必要、サービスの活用シーンを想定しデータを収集すべきなどの御意見をいただいた
(エ)事後のアンケートにおいては、今後のWG活動方針検討に当たって示唆となるような御意見をいただいた
2. 進捗報告
(1)西新宿のトイレデータの収集状況
ア.来訪者が多い施設において優先的にデータ収集を進めている
(ア)計8か所の官民施設から13か所の多機能トイレを含む50か所以上のトイレデータを収集する見込み
(イ)公共の利益に資するならばトイレデータを出してもいいという御意見などを多数いただいた
イ.データ収集を進めた過程で得られた気づき、施設管理者の方々、WGの参加者からSlackなどを通じいただいた御意見も踏まえ、データ化する設備や項目等の再検討を実施
ウ.各項目の気づき、課題と対応の方向性
(ア)便器総数
- ①便器の数を全て個別に数えているが、来訪者目線では不要である可能性を感じた
- ②一方、施設管理者目線で有用である可能性、また政府のCIOフォーマットの互換性の観点からデータとしては必要であるため、任意項目化等を検討する
- ③今後のデータ収集方法として、施設管理者の方から数のデータを頂戴し、フォーマットに落とし込む流れを想定している
(イ)「幼児用設備(有無)」
- ①幼児用設備が何を指しているのかが分かりにくいことが課題である
- ②東京都側で、検索シーンが少ないと思われる設備についてはデータ化対象から外し、おむつ交換台を幼児用設備の対象として、その有無につきデータを整備していく方針
(ウ)「写真」
- ①各設備の撮影はデータ収集者に負担感あり、手順化も必要であるという課題がある
- ②撮影コストと利用価値のバランスを考慮し、多機能トイレのみを撮影していく方針
(エ)「授乳室」
- ①トイレとセットで整備されている可能性を考慮し、調査を実施
- ②結果として、調査を実施した限りでは一体化しているケースは少なかったため、授乳室の詳細はトイレデータとは別データとし、今後の収集候補データとして引き続き検討を行っていく
(オ)「設置位置フロア」
- ①トイレの名称が施設管理者の呼び方と来訪者のイメージが一致しないという課題、また、中層階や地下をどう表現するかなどの課題が存在
- ②施設のホームページURLをデータ項目に追加し、そこから参照いただくことや、サービス事業者にはフロアマップと組合せでの案内などを検討いただきたい。また、中層階や地下の定義は、「7.5」(7階~8階間の中層階)や「-2」(地下2階)という表現にしたい
(カ)「利用開始時間・終了時間」
- ①日曜日/祝日と平日で時間が異なる、季節的な変動、不定休などに関する考慮も必要という御指摘を頂戴している
- ②多様なパターンが想定されるため、施設ホームページも参考にしていただく方向で対応するが、項目の細分化については、引き続き検討を実施
- ③不定休等の情報更新に関する課題は、データ更新手法の検討においてもテーマの一つとしたい
(キ)「データの更新」
- ①手作業(データフォーマットシートへの入力や写真撮影等)だと一定の負荷があることを確認したため、継続的な活動とするためにも、効率的で正確なデータ収集、更新手法が必要
- ②管理者の方がウェブから簡単に登録、更新できる仕組みを入れる、ユーザー評価の活用等について検討していきたい
エ.課題と対応の方向性を反映したフォーマット案
(ア)フォーマットの項目は、基本的に政府CIOデータセットの項目に対し、福祉保健局の収集項目や、上記検討結果(2(1)ウ(ア)~(キ))を踏まえた項目を追加(事務局資料P〇内の緑色の項目)
オ.WGの活動報告
(ア)TOTO社のご協力の下、TOTOテクニカルセンターにてトイレ施設の最新動向を学ぶセミナーを開催いただいた
- ①多機能トイレの機能分散の流れや、トイレ施設の様々な工夫についてTOTO社よりご教示いただいた
カ.収集データ活用に向けた事例紹介
(ア)英国公衆トイレマップ
- ①イギリスにおいて公衆トイレのマップをユーザー投稿型で作成している事例
- ②最初は大学で始まったプロジェクト、200を超える地方自治体のオープンデータを集めて、2014年から公開されている
- ③月間のアクセス数が2万5000から3万と非常に多いわけではないが、ユーザー投稿型によるデータ更新スキームが一つ大きな特徴である
- ④開始当初は公費にて取組を実施していたが、現在は企業のスポンサードで支えられており、自立運営できているように見受けられる
3. 意見交換
(1)議題
ア.収集したデータの活用イメージ
イ.データの更新、品質確保などの課題 等
(2)参加企業A
ア.経路を検索にするに当たって必要なデータはトイレに限らず様々なデータを集めている
イ.公共交通を使った移動中に、トイレに急に行きたくなり経路検索する等のケース以外にも、カーナビアプリで車がとめられるトイレはどこにあるのかを探すケース、自転車ナビアプリを使うユーザーがツーリングの途中で使えるトイレの場所を検索するケース、子連れの方が使うアプリで、ショッピング、病院、帰省、旅行、様々なシチュエーションにて事前に移動の計画を立てる際、どこにトイレがあるのか事前に確認するケースなどを想定
ウ.データの使い方は、個々のユーザーに落とし込んで検討する予定
エ.トイレがあると示された場所に行ったらなかった、またデータが収集されておらずトイレの存在に気づかなかったというシチュエーションを避けるためデータの更新が必要である
(ア)トイレは緊急を要するようなケースが多く、ユーザーからの信頼が損なわれるケースは前者と考えている。閉鎖等のトイレ状況の変化については、定期的な更新以外に、優先度を高めてデータのやり取りができる仕組みをつくるべき
(イ)新設トイレの情報は、閉鎖より緊急度が低く、定期的なタイミングでデータ更新、という運用フローができればよい
(3)参加企業B
ア.地図データ関連の情報収集や整備を行うにあたり、トイレを含めた施設情報はベースとなる情報であり、様々な活用イメージができる
(ア)今回のWGでデータ収集の一定の基準が示されたため、糸口が見えたというイメージを持っている
(イ)データの更新がトイレに限らずこれまでも課題となっていたが、更新の一定の基準が設定できれば、周辺の事業者と協力・連携しながら取組をすすめることで解決されるのではないか
(ウ)地図上で施設系データを可視化する取組をすすめたい
イ.施設情報以外にも、満空情報等のリアルタイムの情報を掛け合わせることで、データの価値が向上するのではないか
(ア)満空については、個室ごとの使用状況に加え、混雑状況を割合で示すなども考えられる
4. 今後の予定
(1)今後のワーキングの活動方針
ア.データ更新の手法等のアイデア出しを行うアイデアソンを実施
(ア)事前に申込みをいただいた参加者の皆様とクローズドな形式で開催
(イ)成果については、協議会の推進会議や次回のWGでも報告予定
イ.次回WGは3月頃を予定
(ウ)収集したデータの活用イメージ等の報告や今年度の活動成果総括、次年度に向けての課題整理等のテーマを想定
(2).今後のスケジュール等について
ア.年明け以降も第4回のTDPF推進会議、オンラインセミナーなどを計画中
イ.都知事杯Open Data Hackathon
(ア)東京都のオープンデータを活用して、行政課題の解決を行う大会の開催を予定