第七回東京デジタルサービス会議 議事要旨

日時

令和5年8月31日(木)10:00~12:00

場所

第一本庁舎33階特別会議室N2、オンライン併用

出席者

■委員

村井  純(座長) 慶応義塾大学 教授

小野 和俊 株式会社クレディセゾン取締役(兼)専務執行役員CDO(兼)CIO

越塚  登 東京大学大学院 教授

水町 雅子 宮内・水町IT法律事務所 弁護士

■東京都

宮坂  学 東京都副知事(東京都CIO)

■オブザーバー

高野 克己 一般財団法人GovTech東京 副理事長

各務 茂雄 一般財団法人GovTech東京 理事

畑中 洋亮 一般財団法人GovTech東京 理事

議事次第

  1. 開会
  2. 議事「オール東京のDX推進に向けた将来像について」
  3. 閉会

議事(敬称略)
オール東京のDX推進に向けた将来像について

事務局:

  • 議事(事務局説明資料)に沿って説明。

■GovTech東京について

宮坂:

  • GovTech東京では、開発チームを強化していきたい。行政の現場を最も理解している公務員はDX業界とはカルチャーが異なる。こうした行政現場と開発チームをつなぐ役割をデジタルサービス局が担うことを構想している。
  • GovTech東京の取組の一つとして、海外都市のスマートシティ、予算編成プロセスを把握するなど、マーケティングリサーチをしていきたいと考えている。

越塚:

  • 国内の各自治体の話を聞くと、GovTech東京への関心はあるものの、あまり取組を認知されていないようなので、プロモーションを強化してもよいかと思う。岩﨑委員の意見のとおり、Expoのような祭典を開くのも一案。
  • 東京は昼間人口と夜間人口の差が大きく、ビジネスをしに来る交流人口が多い。また、都と区市町村の役割分担においては、都は法人向けの施策を多く担っている。ついては、将来像の観点として、「日本一ビジネスしやすい街」があってもよいと考える。
  • 災害時のデジタルインフラについては検討が必要。

小野:

  • DXアワードの受賞アプリを拝見した。これまでの官公庁のデジタルサービスはリリースまでがゴールとなっていたように思うが、水道局のアプリのように、改善を繰り返し、App Storeのレビューに返信する事例が出てきた。一見小さな変化のようだが、大きな一歩だと思う。
  • GovTech東京の役割の重要性を踏まえた上で、他社における出島戦略で見えてきた課題と対応については押さえていただきたい。例として、都本庁との強固な役割分担による縦割りが懸念。自分の担当部門についての当事者意識のみならず、事務分掌の壁を乗り越えた「あふれ出る当事者意識」が重要になってくるのではないか。

水町:

  • 都及びGovTech東京に期待する役割の一つはデジタルインフラの整備。通信環境やデータ連携基盤がしばしば話題になるが、ここで言うインフラとは、ユニバーサルサービスや、誰一人取り残されないサービスの提供、あるいは品質担保というような観点。
    自分の専門であるマイナンバーを例にすると、情報連携基盤は国が用意している一方、マイナンバーによる本人確認方法については民間の取組にゆだねられている。法律の規制はあるものの、誤入力等を防ぐ仕組み・ツールが無いことにより、昨今のトラブルが起こっているのではないか。
    都にひるがえると、都内区市町村や多くの都民にとって必要なものを整備されることを期待する。
  • 公共システムの調達に当たり、現状の契約制度は不正防止が重視されている。不正防止機能の維持は大前提となるが、都の負担が過大になっている部分については、民間との協働で必要以上の負荷がかからないように、RFIを柔軟な内容とすることや、企画提案で業者選定をすることも一案。

村井:

  • 調達は都や区市町村の所管部署が行うが、GovTech東京が仕様に対するレビューを行うということか?

宮坂:

  • GovTech東京はあくまでも技術的な指導助言をする立場。意思決定行為は行政が行う。

村井:

  • 日本におけるDXの最大の課題である、国と地方自治体という構造上の分離。そして47都道府県と基礎自治体、それぞれの役割を連結する必要がある。加えて、官と民の協働体制の構築。デジタル人材も不足しており、難航している。
  • GovTech東京においては、まず都と区市町村の協働をどのように進めていく構想か。

宮坂:

  • 共同化を目指している。人材確保や、ハードウェア・ソフトウェアの調達など、個々の自治体での対応が難しいとの声が届いている。GovTech東京をハブに、共同化を進めていきたい。
  • 一方、公金を支出する以上、調達制度は行政が担うことになると思う。その上で、発注した後ではなく、発注前の要件定義の段階から、GovTech東京が技術的に助言していきたい。
  • 水町委員から意見のあった契約制度について、都では構造改革の一環でスタートアップ企業が公共調達に参入するための施策に取り組んでいる。

畑中(オブザーバー):

  • 官民協働に当たっては、民間と対話をしながら仕組みを決めていくプロセスが重要。また、安全かつ実効性のある取組としていくためには、スタートアップやシビックテックが公共事業に参画する際のルール整備も必要と考える。

越塚:

  • 民間を含むプレイヤーがどのような役割を果たすのか、アーキテクチャの検討が重要と考える。ソフトウェアやサービスを民間が提供するに当たっては、データ連携基盤が重要となる。例えば防災だと、災害発生時の状況把握は官が行うが、都民の方に情報としてお伝えするのは民放や民間WEBサービス。税の申告も民間がアプリ提供してもいいだろう。

小野:

  • 開発はGovTech東京、意思決定は都や各区市町村とした時に、意思決定が部分最適に寄ってしまい全体最適とならない恐れがある。あるいは、中長期で見た時には別の選択肢が望ましいという場合もある。

宮坂:

  • 各局が強い独立性を持っているため、個別最適と全体最適の問題は既に都庁内でも起きていた。まだ不十分なところはあるが、デジタルサービスについては各局に共通のプラットフォームを使ってもらう取組を進めている。区市町村も同様に、各自治体のシーズを踏まえた上で、プロトタイプを示して共同化を提案したいと思っている。独自に取組を進めたい自治体がいれば、それは尊重する。

各務(オブザーバー):

  • サービスを定義し、サービスメニューを立案し、最大公約数を考え抜いて発明するということが大事だと思っている。また、ニーズとシーズの接点管理も重要。具体的には、ニーズの代表者と、シーズからソリューションを提供する人が相互に歩み寄ること。そして、ポートフォリオを組んで、判断基準を設け、議論をして決めるというプロセスが必要であると考える。こうしたプロセスを経て可視化していくと、課題が浮き彫りになるため、そこからステップバイステップで推進していくことで上手くいくのではないか。

村井:

  • 各自治体は現場を知っているからニーズを知っているという前提になっているが、本当のニーズとは市民が抱いていること。市民の目線で言えば、どのサービスがどの主体から提供されているかは認識していないと思われる。こうした中でどのように連携していくべきか。

各務(オブザーバー):

  • 理想としては、まずサービスとして何を提供したいのかを最初に定義して、結果としてどの組織が提供するとスムーズか、という順に考えることが望ましい。

宮坂:

  • 顧客目線に立てば、サービス提供者が誰なのかはあまり関心ごとではない。その意味で、サービスをプッシュ型で提供するということは重要。参考情報として、昨年度のオープンデータハッカソンに出場した「行政お得くん」というサービスがあり、補助金等お得なサービスを提供している自治体情報を発信している。スマートフォンを日常的に使っている人でも、こうした行政情報から取り残されてしまう恐れがある。プッシュ型でそれを解決したい。
  • 組織の垣根を越えた連携という意味では、コネクテッド・ワンストップを徹底したいと考えている。デジタル3原則におけるデジタルファーストは東京デジタルファースト条例により取組を進めているが、コネクテッド・ワンストップやワンスオンリーは難易度が高い。そこで、都と区市町村の間に入る組織としてGovTech東京を位置づけ、垣根を越えた連携と顧客視点の最適化を進めていきたい。

水町:

  • ニーズとサプライ。人材育成に関連すると、公的機関の中でデジタル知識を持った人材が少ないのは引続き課題。GovTech東京でデジタル人材を育成されることは期待。
  • 他方、政策立案においてICTに関する知見は必須になってきていることから、行政職員自身もデジタル知識を身につける必要がある。デジタル化施策における上流工程でGovTech東京と原課の職員が協働する中で、職員のデジタル知識が養われることを期待。
  • 住民のニーズと行政機関のニーズが異なることは同意。公共システムは業務改善の視点で調達されてしまいがちなので、住民ニーズを汲んでいくことが望ましい。

村井:

  • 行政機関組織は所管分野の領域に責任を持っており、本質的に縦割り。特に防災等の課題は、組織間連携が必須となる。ハイブリッドな領域にわたる課題については、縦割りの行政組織よりも市民の方が発見しやすいと考える。こうした複合的な課題共有は、DXのみならず行政組織構造から対応する必要があると考えるが、GovTech東京はこうした問題も取り扱うのか。あるいは、都庁内に横断的な組織はあるのか。

宮坂:

  • 御指摘の点は都庁にもある弱点と考える。東京のデジタルは発展途上の一方、水道、公共交通、道路等のインフラは、世界に誇るべき水準を保っており、これは縦割り組織の強みであると考える。こうした縦割り組織の強みを活かしながら、デジタルで組織間をつなぐ方法を模索している。
  • 役割分担と権限を決めることは組織としては必要。その上で、オープンアンドフラットなカルチャーの定着を進めている。オープンとは様々な組織・民間を含めて、多様な人が集まる場を設けること、フラットとは多様な人が集まっても相互にリスペクトを持って話ができる関係。GovTech東京でも、職層や組織間を分断するような言葉を使わないように意識している。

村井:

  • 縦を横につなぐというのがDXの強みだと言われて久しいが、世界各国の話を聞いていると、縦割りに回帰してしまっているようだ。垣根を越えて議論をする文化をつくろうと試みて、だんだんと疲弊し、元の木阿弥になってしまう。GovTech東京は都庁の外にあるとのことだが、原点回帰してしまいそうな時にそれを食い止めるような仕掛けが必要なのではないか。

越塚:

  • 役所の窓口は分野で分かれている。行政の手続を行う民間の仕事として、司法書士や、古くは代書屋さんがあった。DXはデジタル版の代書屋さんなのかもしれない。

宮坂:

  • 窓口の一元化も共通化の一つだと考える。とある役所では、書かない窓口に置けるタブレットの台数が限られるために併せて窓口のワンストップ化を進めている。デジタル化はワンストップ化のきっかけになり得ることから、機を捉えて進めていきたい。

小野:

  • 縦割りの推進力を活かすのであれば、コネクテッド・ワンストップ局という専業部隊がいてもよいかもしれない。

宮坂:

  • その役割があるのは、都庁内ではデジタルサービス局。官房局、企業でいうと経営企画チームとして、各組織から信頼を獲得しながら進めていく必要がある。
    そのために、一つはソフトパワーとして、当事者意識を持ち、カルチャーや人間関係のつながりなどを丁寧に構築しながら、オープンアンドフラットに改善していくこと。
    加えて、人間関係依存にならないよう、仕組みとしてハードパワーも必要。具体的には、予算編成のプロセスへの関与、各局のデジタルサービスを見える化するためのプロジェクトシェアリングブック。人材の面ではICT職を設けた。

村井:

  • 2002年に米国ではUnited States Department of Homeland Security (アメリカ合衆国国土安全保障省)を設置。省と連携し、WaterISACでは、水に関する情報を産官学問わず網羅的に扱っている。まず情報を集められるだけ集めて、取捨選択し、役所と民間が協働してアウトリーチで課題に対応していく。これも情報共有のインフラが貢献している例だと思う。

宮坂:

  • 都庁の庁内連絡網は縦割りになっており、メーリングリストは組織別でプロジェクト別のものは活用されていない。ファイル共有も局別にサーバーがあり、局間のファイル共有が難しい。結果として、仕事の進め方も庁内インフラに最適化されているような状態。整理していく必要があると認識している。

■防災について

村井:

  • 南海トラフ巨大地震の危機が迫っている。防災におけるデジタルについて、阪神淡路大震災を思い返すと、windows 95の発売年と重なる。1995年の新語・流行語大賞にはインターネットが入り、グランプリは「がんばろうKOBE」だった。2011年(東日本大震災発生年)には、アメリカに先んじて日本の携帯電話の位置情報GPSが100%整備されていた。また、通信基地局のバックアップバッテリーが被災後3時間は維持できていたことがわかっている。過去の経験から、既に強いデジタルインフラが防災に貢献としていると言える。自動運転車であれば、走行ルートを自らプロットして崩落した橋等を検知することができるかもしれない。生活にデジタルが根付いていることが災害対策のアドバンテージになり得ることや、こういった分野は日本が他国に対する優位性があるとわかってきている。
  • 他方、今後予測される問題として、避難所の所管が縦割りのために、救助者が現場で混乱するような事態がある。どのように対策していけるか。

越塚:

  • 過去の震災において日本のデジタルインフラが貢献してきたことは事実。一方で、東日本大震災から、デジタルインフラの構成は大きく変わっている。キャリアやインターネットの回線はある程度耐久性があるものと見込まれるが、それ以外の領域、例えばクラウドは動くのか等は検証されていない。緊急地震速報を例にすると、被災時の耐性という面において他のシステムと特段の優位性はないと聞いている。あるいは、避難所の避難者数について、今のようにクラウドサービスでリスト管理している場合、被災時に使えないのではないかという懸念もある。
  • 公共システムの調達基準において、アクセシビリティやユーザーインターフェースについて規程があっても、防災については標準化されていない。併せて、衛星インターネットアクセスサービスの登場等、テクノロジーの進歩はすさまじい。こうした急激な変化を捉えながら、基準を検討していくべきだろう。

村井:

  • 防災は伝統的な行政分野と考えるが、デジタルの活用について、意見を伺いたい。
  • 事務局:
  • 関東大震災から100年という節目でもあり、建物や橋の強靭化については取組を進めているところ。一方、デジタルインフラの維持については議論が始まったところ。避難所においては、安否確認のためにも通信環境は重要。オープンローミングWi-Fiを入れる動きも始めているが、避難者数に応じた適切な台数を配備できるか課題。

水町:

  • 東京都震災復興検討会議の委員、住家被害認定のデジタル化メンバーを務めている。これらの会議でもデジタルの話題は挙がっており、検討は進んでいる認識。ただ、御指摘のとおり、災害が起きた時や停電時のシステム維持については引続き課題が残る。加えて、発災状況や避難に関する都民へのタイムリーな情報提供が重要。多くの都民はスマートフォンで情報収集するであろうから、充電できる場所の情報も需要が高いだろう。加えて、復興時に被害認定を受けるための手続、民間の支援策についても情報発信が必要と考えられる。

小野:

  • システムの視点で意見を述べると、回復力・レジリエンスという観点があり、カオスエンジニアリングという手法で、例えば当該システムが稼働しなくなったときにBCP等で策定している対応策が機能するのか、スムーズに切り替えができるか試みることはできると思った。特に優先度の高いシステムでは試みる価値があるかと。

村井:

  • クラウドにデータを退避しているからこそ、2011年に手元のデータが津波で流されてしまったというような事態は避けられるかもしれない。今までのマニュアル類の見直し、アフターDXの防災の在り方が問われている。デジタルインフラ政策ではしばしば通信という言葉を用いるが、今のデジタル環境は通信だけではなく、コンピューターとクラウドに対するアクセスと、そこに格納されたデータとを内包している。
  • 都は、東京データハイウェイにおいても通信キャリアとつながりを持っている。キャリアが保有されている人流データ等も防災に役立てられるかと思う。

宮坂:

  • 都の横断的な防災対策については総務局が所管している。この度初めて、地域防災計画にデジタルが柱として位置付けられた。避難所や不感地帯でもインターネット環境を設けることに取り組んでいる。現代の防災における希望の一つは、高いスマートフォン所有率。首都直下型地震における帰宅困難者数は約450万人と想定されるが、スマートフォンがあることで、帰宅困難者の居場所が割り出せるのではないかと期待している。

畑中(オブザーバー):

  • 厚労省で災害医療の担当もしている。災害時に何を優先するのかということをみんなでまず合意しておく必要があると認識している。減災なのか、発災時の被害の最小化なのか、復興におけるQOLを高めたいのかなど。ペルソナを決めて優先順位を共有する必要がある。その中でどのようなデジタルサービスを活用するのかという議論が必要になる。最も多くの人命を守れるポイントはどこなのかについて、技術的な観点を持ちつつ、政策立案者と現場で議論していくことが重要だと思う。

村井:

  • 東京は交流人口が多く、昼夜間の人流・通信量も大幅に異なる。首都圏、あるいは大都市圏でのシームレスなデジタル環境も課題になるかと思う。都が全国をリードして、他県に貢献されることも期待している。

宮坂:

  • GovTech東京のビジョンは「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」。GovTech東京の顧客は、都庁だけではなく多くの手続を所管している区市町村を含める。その上で意識しているのは、プロジェクトシェアリングブックや人材、都庁内で行った様々な施策、経営の仕組みに関するイノベーションを公開していくこと。他県や区市町村からもお問い合わせをいただいている。それが首都として全国に貢献できる役割だと思っている。
  • GovTech東京のオフィスは開かれた場所にしたいと思っており、区市町村にも声かけをしているところ。イベントやワークショップ等開いて貢献していきたいと思っている。

村井:

  • 岩﨑委員も指摘されていた国際交流について意見はあるか。

越塚:

  • アフターコロナで世界各国の大都市が疲弊している。しかし、なぜか東京は疲弊していないように思える。スラム化せず、美観が保たれ、治安が良いというのは大きな特徴だし、国際的なメリットも大きい。こうした東京の居心地の良さが今際立ってきているので、こうした強みを世界に発信しつつ、デジタルサービスで支えていければよいかと思う。

水町:

  • 自分の専門であるプライバシーや個人情報保護の分野についてはGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)が称賛されているが、日本における個人情報保護は国際的に見ても充実していると思うので、発信していく価値はあると思う。
  • 国内に目を向けると、DXに対して意欲のある基礎自治体と協働して成功事例を創っていくことに期待したい。

宮坂:

  • 東京のインフラは世界有数だと思う。ある意味で、デジタルがなくてもスマート化しているような状態。これを実現してきた現場力をいかにデジタルで高めていくかということが最大の関心事。

村井:

  • 現場力をデジタルで知財化、システム化することができれば、ビジネスにもなり得るし、世界展開も見えてくる。現場のエキスパートは専門分野に専念し、デジタルで専門性を再現できれば、持続可能なシステムになっていくのではないか。

越塚:

  • 現場で重視されるデジタルはバックエンドシステム。街の美観が保たれているのは、都民がゴミを捨てないおかげでもあるため、こうした教育・文化といった基礎を担っている方々を支えること、バックエンドを円滑化するのがDXの要点。

村井:

  • 現場の担い手の理想がデジタルで実現すれば、それは東京の強みになるし、世界に貢献できる。

宮坂:

  • 行政のバックエンドは優れている一方、フロントエンドが不得手と認識。水道料金の徴収一つとっても、毎月漏れなく徴収できていること自体は素晴らしいが、フロントエンドには手が回っていなかったので、アプリから簡単に引越し手続ができたり、水道料金を見える化したり、使い勝手を改善した。

事務局:

  • バックエンドの横展開について、東京の水道技術の海外への技術支援は行っている。ただ、各国の都市環境が全く異なるため、東京のシステムを再現するにはハードルもある。

村井:

  • 最後に各委員一言ずつお願いしたい。

水町:

  • GovTech東京、そして東京都の動きは全自治体が期待している。引続き頑張ってほしい。

小野:

  • 一連の議論の中で、市民から見ると、サービスの所管が都か区市町村なのかわからないという話があった。例えば海外旅行者は、その土地の運送サービスが公共なのか民間なのかは意識しないと思う。市民のQOLは行政サービスと民間サービスの合わせ技。もし、国際会議のような場があるのであれば、都民の生活レベルに貢献するような民間サービスについても取り扱っていただければと思う。そこで生まれる情報交換が改善につながっていくサイクルができるといい。GovTech東京により、公共と民間との垣根を越えて、連携がさらに推進されることを期待する。

越塚:

  • GovTech東京の取組から見えてきたことは今後もぜひ共有してほしい。

宮坂:

  • 議論を経て、改めてGovTech東京の要はオープンアンドフラットなのだと思った。今日のようなオープンアンドフラットかつ有意義な会議を形骸化させずに、会議自体をDXさせていきたいと思う。

今後の活動予定について

事務局:

  • 今後の活動予定について説明

閉会

以上

記事ID:110-001-20231212-010145